経営者と従業員のギャップから見る現状
日々の中小企業訪問を行なっている、またまた同じような事例がありましたので、報告を兼ねて書いてみたいと思います。
今回は、農業協同組合様であったのですが、経営者側が思っている・感じていることと、従業員が感じていることの大きなギャップがある!という現状を目の当たりにしたのです。
経営者側の人間は、常に従業員と対話をする訳ではありません。ましてや、動植物を管理していると、休日なども多くはできません。
実際に、その会社も実質、週休1日強のような状態でした><
そんな中で、入社3年以内の社員の方と面談をさせていただいたのですが・・・
表向きは、明るく楽しく仕事をしているように見えました。本人からも前向きな言葉もたくさん出てきて、いい環境で仕事ができている!そのように感じました。
しかし、色々と引き出しながら聴いてみると
・休日が少ない
今の若い世代は、週休2日は無いと、不満につながることが多いです
・給料が少ない(休日が少ない割に、給料が安い。祝祭日も出勤です)
今の時給で考えれば、同じ時間働けば、アルバイトでも今より7~8万は稼げます
・福利厚生がない
福利厚生がない!と社員を大切に考えていない!など不満につながります
・親が入社時から、退職を勧めてくる
今の20代の親世代は、子供の仕事にどんどん関わります(過保護な部分もあり)
・やりがいが持てない
どうしても、この仕事がやりたい!という訳ではない
話し出したら、このようなネガティブワードが次から次へと出てきました。
これは、非常に危険な状態であります。
入社してすぐの頃は、時分に与えられた仕事を覚えたり、こなしたり、社会人になった緊張感などで、とにかく目の前の仕事をこなすだけで精一杯の状態になっているかと思います。しかし、3年目ともなれば、仕事にも慣れ、年間の仕事の流れも理解してきていると思います。
そうすると色々なものが客観的に見えるようになり、友人・知人から様々な情報も集まってきます。何か疑問に感じたら、インターネットで検索すれば、ほとんどの情報は手に入ってしまいます。
そうすると、自分自身が置かれた状況や、現状を客観的に見ることができ、マイナスな環境にいる場合は、その部分が浮き彫りになるのです。
その段階で、周りに相談したり、転職先を探したり、自分が何を望むのか?を再度考えたりするのです。
本当に、何かのきっかけがあれば、退職に向けて一気に加速することは間違いありません。
しかし、その後、経営者側と話をしましたが、スタッフがこのような想いを持っていることなど知る由もありません。
反対に、とても楽しそうに一生懸命仕事をしている!満足そうに働いている!
そう感じているようでした。
こうなると、もう時間の問題としか言いようがありません。
3年目で、ようやく戦力となってきた社員が辞めるとなると、その損失は計り知れません。
年間400万を超えるコスト×3年 1000万円以上使った育てた社員がいなくなります!
これが現実になると、負のスパイラルが起きます。
・新しい社員を採用・教育するのに多大なコストが掛かる
そもそも、現場作業の求人に対して、若い人は集まりません。
・退職した社員の抜けた穴を現場でカバーしないといけなくなる
既存社員に負荷が掛かり、連鎖離職が起きる。肉体的にも精神的にも負担増
・新しい作業環境を作り直す必要がある
ITや設備の導入を行い、作業効率を上げる環境づくりを行う。⇒ 多大なコスト必要
・人手不足により、売上減少につながる
人がいないため、仕事がこなせなくなり、売上減少に・・
こうなる前に、しっかりと対策を行なっていきましょう!
経営者層が、従業員と対話をし、不満要素を早めに解消するように目配り・気配りを行うことや、社内で相談できるような環境を作ることや、私たちのような外部の人間に相談できる環境を用意するだけでも改善を図ることができます。